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高齢者社会の到来によって、バリアフリー住宅の依頼は増加傾向にあります。
しかし、まだまだ実績や経験が不足していて、どの点に注意して設計をすればいいのか戸惑っていらっしゃる方もいるのではないでしょうか。そこで、バリアフリー住宅設計の実績を持つ一級建築士・大橋浩氏(設計室HOM)にバリアフリー住宅設計のためのポイントを伺いました。
Part1では、お施主様との打ち合せのポイントをご紹介します。
バリアフリーのマニュアルは百人百様あってよし。
家族構成や生活スタイル、身体の具合などは1件ごと、お一人づつ、すべて状況が違います。段差を無くして手すりを付ければバリアフリーになるという単純な発想は危険です。
例えば、トイレで用を足す時。車イスを便器の正面に置いて身体を移す方もいらっしゃれば、便器の横に置いて移動させる方もいらっしゃいます。こうした方法の違いによって、その方に必要なスペースを作る位置や広さを考える必要があります。また、一人で行動するのか介護者がつきそうのかによっても、当然、必要なスペースの余裕が変わります。
マニュアルでバリアフリーに必要なポイントとして、広さや高さなどが数値化されていますが、これはあくまでも一般的なことでしかないのです。バリアフリーマニュアルは、一家にひとつと考えるべきなのかもしれません。
規格に人間があてはめられることは、暮らす側にとっては過大なストレスとなると心得ましょう。
生活スタイルを徹底的に取材する。
問題を抱えなければ、他人がどんな方法で入浴するか、どうやってトイレを使用するかなどはまず考えません。規定サイズの設備を導入するのが一般的です。しかし、バリアフリーを必要としている人は、身体の動く範囲や生活のスタイルが異なってきますから、その方がどういう生活をして、どのように行動するのかを実感することが設計にも役立ちます。
具体的にどのようなことかというと、
バリアフリーを必要とする方と行動をともにすることです。
ひとつのシチュエーションの中で、身体をどう動かしているのかだけではなく、右手、左手はどう働いているか。また、動作するうえで、何が不都合なのかを具体的に1つ1つ細かくヒアリングし、分析します。
身体がどれくらい動くかや、今までの習慣によって、お風呂に入る方法は違います。介護者に湯船に入れてもらう人もいれば、自分で浴槽の端や浴槽横の台に乗って、湯船に入る人もいます。実際に入浴時の状況を再現していただき、最も使いやすいバスタブの大きさや水栓金具の位置などを確認しましょう。
バリアフリーの本では、通路などの幅が80cm以上無いと車イスが通れないという記述があることも多いようです。ところが、車イスの操作になれていれば、幅60cmでも通れる方がいらっしゃいます。逆に、慣れない場合には、規格以上の余裕があった方がいい場合もあります。実際に試していただくといいでしょう。
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